厚生労働省の資料によると、令和元年の国民健康・栄養調査結果において、1日の平均睡眠時間が6時間未満の者の割合は、男性 37.5%、女性 40.6%であり、性・年齢階級別にみると、男性の 30~50 歳代、女性の 40~50 歳代では4割以上を占めており、国民一人ひとりの十分な睡眠の確保は重要な健康課題となっています。
今回は、睡眠の重要性について考えてみたいと思います。
睡眠の種類
睡眠は大きく分けてレム睡眠(REM睡眠)とノンレム睡眠(NREM睡眠)の2種類があります。ノンレム睡眠はさらに4段階に分けられ、深い睡眠ほど身体の回復に重要です。
レム睡眠(REM睡眠)
夢を見ることが多いこの段階では、脳が活発に活動しています。心の整理や記憶の定着に役立ちます。
ノンレム睡眠(NREM睡眠)
段階1:入眠の最初の段階で、意識がまだ少し残っています。
段階2:軽い眠りで、外部の音や刺激に対して感受性が低下します。
段階3・4:深い眠りの段階で、身体の修復と成長が促進されます。特に成長ホルモンの分泌が活発になります。
睡眠が日中の活動に与える影響
睡眠不足や質の悪い睡眠は、日中の活動に多大な影響を与えます。具体的には、集中力の低下、判断力の鈍化、感情の不安定、記憶力の低下などが挙げられます。特にビジネスパーソンにとっては、業務効率の低下やミスの増加が問題となり、長期的には健康リスクも高まります。
理想的な睡眠時間
理想的な睡眠時間は個人差がありますが、一般的には7~9時間が推奨されていますが、厚生労働省の調査結果によれば、複数の調査研究から、7時間前後の睡眠時間の人が、生活習慣病やうつ病の発症および死亡に至る危険性が最も低く、これより長い睡眠、短い睡眠のいずれもこれらの危険性を増加させることから、成人においておおよそ6~8時間が適正睡眠時間と考えられています
ただし、年齢・性別・季節などの要素により適切な睡眠時間は人それぞれかと思いますのであくまで参考程度に留めておくと良いと思います。
睡眠の質を上げるために効果的な行動
規則正しい生活リズム
毎日同じ時間に寝起きすることで、体内時計が整い、自然な眠気を誘発します。
適切な環境づくり
寝室を暗く、静かで涼しく保つことが重要です。また、快適な寝具を使用することも効果的です。
電子機器の使用制限
寝る前の1時間はスマホやパソコンなどの電子機器を避けることで、メラトニンの分泌が妨げられずに済みます。
適度な運動
日中に適度な運動をすることで、深い睡眠が促進されます。ただし、寝る直前の激しい運動は避けましょう。
リラックス法の実践
入浴、ストレッチ、深呼吸などのリラックス法を取り入れることで、入眠しやすくなります。
まとめ
日本人は睡眠時間が短い人が多く、睡眠不足は深刻な問題です。
睡眠はレム睡眠とノンレム睡眠の二つの種類があり、両方がバランスよく取れることが重要です。
質の良い睡眠は日中の活動に大きな影響を与え、各個人にとって理想的な睡眠時間を確保することで、健康維持とパフォーマンスの向上が期待できます。
睡眠の質を上げるためには、規則正しい生活リズム、適切な環境づくり、電子機器の使用制限、適度な運動、リラックス法の実践が有効です。全てを満足に達成することは難易度が高く、意識し過ぎてしまうと逆効果を招く恐れもあるため、日々の生活の中で、これらのポイントの中から取り入れられることから実践することで、質の良い睡眠を手に入れましょう。
コメント