本日2025年4月7日、ゴールドマン・サックスが米国の景気後退確率を従来の35%から45%へと引き上げました。これは過去1週間で2回目の引き上げとなります。
景気後退リスク上昇の背景
この予測修正の主な要因は、トランプ大統領による広範な関税導入計画です。具体的には以下の要素が影響しています:
- 金融環境の急激な引き締め
- 海外消費者によるボイコットの可能性
- 政策不確実性の継続的な上昇
- 設備投資の予想以上の落ち込み
特に注目すべきは、4月9日に発効予定の関税措置です。ゴールドマン・サックスは現在の予測が「4月9日に発効するトランプの関税の多くが実施されない」ことを前提としていると警告しています。もし関税が予定通り実施された場合、第4四半期までに米国が景気後退に陥るとの予測に変更する見込みです。
経済指標の下方修正
景気後退リスクの上昇に伴い、ゴールドマン・サックスは以下の経済指標も下方修正しています:
- 2025年第4四半期のGDP成長率予測を0.5%に下方修正
- 2025年の米経済成長率見通しを1.5%から1.3%に引き下げ
- 年末時点の失業率予想を4.5%に引き上げ
他の金融機関の見方
ゴールドマン・サックスだけでなく、他の投資銀行も景気後退リスクの予測を上方修正しています:
- JPモルガンは米国および世界経済が景気後退に陥る確率を60%と見積もっています
金融政策への影響
景気後退懸念の高まりにより、ゴールドマン・サックスはFRB(連邦準備制度理事会)の政策見通しも修正しました:
- 6月から3会合連続で25ベーシスポイントずつの「保険的利下げ」を予測
- これにより米国の金利は3.5%から3.75%になる見込み
- 景気後退シナリオでは、FRBが今後1年間で約200ベーシスポイントの利下げを行う可能性
市場への影響
株式市場にも影響が出ており、ゴールドマン・サックスはS&P500種株価指数の年末目標を「6200」から「5700」へと下方修正しました。景気後退シナリオでは「4600」まで下落する可能性も示唆しています。
今後の動向は4月9日の関税措置の実施状況に大きく左右されそうです。米国経済の先行きに不透明感が増す中、市場参加者は政策動向を注視しています。
コメント